scenario-10

メテオハンター



■南極/――■

【ペンギン達に囲まれるお腹の大きなほっかむりの婦人】
「はあ……はあ……
 あ……あなた……私、もうダメ……」
【天晴れ扇子を持って応援する麦わら帽子の農夫】
「しっかりするんじゃッ!周りのペンギン達も応援してくれとるよ!
 ほれ、ひーひーー・ふー!」
「ひーひー・ふー!
 ひーひー・ふーーっ!」
「ああっ……まさかこの南極で遭難したまま
 この子を産むことになるなんて……。
 南極で生まれたら、きっと冷え性の子になってしまうわ!」
「いやぁ、一時はどうなるかと思うたが
 ペンギンが皆で集まって温めてくれるとは思わなんだ。
 まっこと、ここのペンギン達は優しいのう!」
「おまけに、もうすぐ白夜が始まるようじゃ。
 空の色もなんだか見たことの無いピッカピカの金色になっとるし
 こんな日に生まれるなんて、いやぁなんともめでたいッ!」
「まあ!この空の色、あなたにも見えているの?!
 私の幻覚じゃなかったなんて……
 ……うぐぐー!」
「あ・ソーレ
 ひーひー・ふーー♪」
「ひぃ・ひぃ・ふうーーっ!」
「ひーひー・ふーー♪」
「ひィーーひィーー・ふぅうぅ−−−−−っっっ!!
 ふう……ふぅ……う……
 う〜ま〜れ〜るぅぅぅ〜〜〜〜〜っ!!!」


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