【射撃訓練中の銀】 (やっと体も慣れては来たが…… 生身での射撃はまだまだ安定しないな) |
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【聞き覚えのある声】 「さすがは名細 銀君。 銃の扱いも見事なものだ」 |
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「!」 | |
【阿姫羅】 「世界初の戦闘用CEMがトリプルテイルで空母を沈めた歴史的なシーンを思い出す。 大戦の英雄も優秀な狙撃手だった。名細家の血は争えないな」 |
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(凱 阿姫羅……) 「あなたがなぜここに……」 |
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「私は暫く日本で仕事をする事になってね。 今後もたまに、この学校へ出入りさせてもらう事になりそうだ」 |
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「お仕事ご苦労様です、凱査察官」 | |
「ところで名細君、今日は源女教官と一緒じゃないのかな?」 | |
「源女教官は多忙な方です。 個人教官といえど、常に自分の生徒と一緒に居るわけではありません」 |
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「そうなのか。 それは残念だな。彼女に挨拶をと思ったんだが……」 |
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「そうだ。 少しの間、君の訓練を見学させてもらってもいいかな?」 |
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「見学は結構ですが、訓練の邪魔だけはしないでください」 | |
>銀は射撃訓練を再開した | |
「うーん……。 筋は良いんだが、君の射撃は少々感情の抑制に欠けるな」 |
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「感情の抑制……?」 | |
「『彗星機士は己が心を冷然たる石と化し、隕力と一体となれ』…… 御祖父様に教わらなかった?」 |
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「……」 | |
「感情というのは相手に悟られたら最後、向こうのペースにはめられてしまう。 そんなに殺気立っていては、君は撃つ前に殺されてしまうよ」 |
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「……あなたこそ、殺されないように気をつけた方が良いんじゃないのか」 | |
「殺される? 私が?誰に?」 |
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「さぁ……? 次の授業があるので、俺はこれで失礼します」 |
(ICEA第一級査察調査官・凱 阿姫羅。 公開されているICEAでの経歴を見る限りでは 作戦の指揮系統専門で、CEM戦闘とは縁のない男のようだったが……) |
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【ロミィ】 「名細君、あなたにお願いがあるの」 |
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「サアディー査察補佐官が俺に?」 | |
「あなたの個人教官、源女 阿御威さんの事なのだけれど…… 彼女と凱査察官がどんな間柄なのかは知ってる?」 |
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「二人は古い知り合いではあるようですが……詳しい事は何も」 | |
「あの二人は兄妹よ」 | |
「兄妹……?! 源女教官と凱査察官が?!」 |
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「でも、血は繋がっていないらしいわ。 育った家が一緒だったということだけれど……」 |
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「……名細君。 凱査察官を見る阿御威さんの眼、どう思った?」 |
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「……少なくとも、好意的ではないように感じましたが」 | |
「あれは…… あの眼は……明確な、殺意」 |
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「!」 | |
「二人の間に何があったのかまでは私は知らないわ。 阿姫羅さんは、まだ私を心の奥に踏み込ませてはくれない……」 |
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(…… やはり、この人はあの査察官のことを……) |
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「私達は彗星機士学校の査察の仕事が終わってもICEA本部へは戻らず しばらく日本で仕事をする事になるかもしれないの。 もし二人が接触するようなら、阿御威さんが変な気を起こさないよう気をつけて」 |
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「あまり戦場での事を持ち出したくはないけれど…… あの女性は、人を殺せる人だから……」 |
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(源女教官は凱の事を避けるどころか、殺したいほど嫌っている。 なんだ……結局、あの男の無様な一人相撲という事か) |
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