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【痩せこけた男】
「ふふふ……」
【白い帽子の男】
「どうしたんだい?

 今日はやけにご機嫌だね」
「うん。
 さっきね、美味しそうな匂いがしてね。
 ちょっと舐めちゃった」
「勝手につまみ食いしちゃダメだって言っただろう?
 また博士に叱られるぞ」
「だってお腹空いてたんだもん」 
「もうすぐお腹いっぱい食べられるさ。
 だからもう今日はベッドでおやすみ」
【幼女の声】
「ここに居たのか、アパト」
「何だ?」
【オッドアイの幼女】
「デュークが呼んでいる」
【アパト】
「分かった。

 ……じゃあまたね、清彦(きよひこ)」
【清彦】
「おにいちゃん、バイバーイ!」



「アレの子守も大変だな」
「武器の仕入れと手入れは私の仕事だ。
 交わした契約通り、ね」
「そうか。
 では、現地に着いてもこちらに余計な手間をかけさせてくれるなよ。
 素材を確保するまではアレを壊すなと上層部から命令が出ている」
「制御不能で暴走した未完成品は処分するしか無いからな……心得ておこう。
 兄弟は一人でも多い方が、お前も寂しくないだろう?」
兄弟……?
 お前のくだらん冗談には付き合いきれん」
これは失礼。
 偉大なる灰色の遺産を受け継いだお前達はこの星の救世主だ。
 ……期待しているよ」


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