■彗星機士学校 中庭/12:20■

【銀】
(まったく、暁の奴……あいつは昼飯ひとつ買うのに何分かかってるんだ。

 もうすぐ休憩終わるぞ)

ドン!

>銀は誰かと肩がぶつかった
【聞き覚えの無い男の声】
「おっと!」
「!
 ……失礼」
【上品なスーツの男性】
「いや、こちらこそ。

 ……君は、ここの生徒?」
「はい。そうですが」
「彗星機士学校の生徒にしては随分と若いね。
 もしかして、君が……」
【小脇に袋を抱えた暁】
「おーい、銀ーっ!」    
「遅いぞ、暁。
 どこまで買いに行ってたんだ」
「ゴメンゴメーン!
 この前見つけた路地裏のパン屋が、たまごパンの安売りやってたの思い出してさー。
 いやー、得した得した☆」
「そんなもの袋いっぱい買ってどうするつもりだ?
 まさか、毎日三食全部それを食べるわけじゃないだろうな」
「え?銀、たまごパン嫌い?
 オレ毎日たまごパンでも幸せだけどなー」
「安い幸せだな」
「本当の幸せとは、ささやかすぎて簡単には気付けない物だよ
 名細 銀君」
「!」
「君の教官によろしく」
上品なスーツの男性は去っていった
「……誰、あの人?
 銀の知り合い?」
「いや、見覚えは無いが……」 
「オマエって学校中で有名人だからなー。
 この前来てた入学候補生のヤツみたいに、
 銀のこと勝手にライバル認定してるヤツも結構多そうじゃん!」
「お前が言える立場か……」 
「え、なんで?
 それってどーいう意味??
 おい!銀ってば!!」


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