■彗星機士学校 学長室/13:00■

【はさな】
「ったく、いいご身分よねー。

 ICEA本部からの査察官だか何だか知んないけど、
 遅刻はするし、みんなの
スケジュールは狂わせるし……」
【阿御威】
「お前のスケジュールは暁に一人でヴァーチャルさせておいて
 自分は休憩所で
ワイドショーでも観て仕事サボる事だったんだろ?
 遅刻した査察官に感謝しろ」
「四時間も遅刻しといて余裕こいてるくらいなんだから、
 きっと短い足組んでふんぞり
返ってる脂ギッシュでビール腹で
 糖尿寸前のカツラオヤジよ!」
「狙いどころじゃないか、はさな。
 影ながら応援させてもらうよ」
「阿御威ぃぃぃ!
 なんでアンタってば、いちいち人の言う事に……!」

ガチャッ

>ドアを開けて学長が入ってきた
【一文字学長】
「道が混んでいたそうでね……皆、待たせてすまんな。

 どうぞお入りください、査察官殿」    
「!」
【凱 阿姫羅(がい あきら)】
「初めまして。

 この度、国際隕力機関ICEA本部よりサガミキャンパスの学内調査を任ぜられた
 第一級査察調査官、凱 阿姫羅です」          
(ヨッシャーーー!
 イケメンきた−−−!)
【凱の後ろに控える褐色肌の女性】
「査察補佐のロミィ=サアディーです」           
【轟】
「おおぅ、お二人共お若いですな。教官の轟です」
 (ワシの補佐なんて…)  
【宇和】
「轟教官の補佐を務める助教官の宇和です。
 ?
どうしました轟教官??」
「凱君はICEA本部のあるヒューストンから昨日来日したばかりでな。
 お疲れの所、わざわざご挨拶に来ていただいた。
 皆、失礼の無いようにな」 
「日本の彗星機士学校の査察は初めてなので
 教官の皆さんには何かとご迷惑をおかけするかと思いますが

 明日から一週間、どうぞよろしく」
「一週間といわず、こちらこそめいっぱいヨロシクされますわぁ〜ん☆」
「一文字学長。
 一日も早く慣れる為に、校内を案内してくれる方を一人紹介していただけると
 助かるのですが……」
「ハイハイハーイッ!
 学長っ!
 学校一の物知りサンである、この東はさなちゃん教官が適任だと思いまーす!」
「東教官、日野出は今が肝心な伸び時。
 ここで個人教官の君が生徒を放ったらかしにしては……」
(くっ……轟、余計な事を!!
 はさなちゃんの婚期が遅れたらどう責任取るつもり?!)
「案内は受付の人間にやらせましょう。
 施設や設備も細かに把握しておりますので……」  
「いや、併せて生徒のCEM技能も知っておきたいので
 できればここは現職教官にお願いしたい」
「査察官。そんなご無理をおっしゃっては……」
「あー、ゴホンッ
 それでは自分が……」
「そこの女性教官」
>凱査察官は阿御威の前に進み出た
「……」
「名前は?」
「……源女です」
(ワシ……完全無視……?)
「源女君。
 今日一日、君の生徒は他の教官に頼んでおくから
 凱君の案内をお願いできるかな?」
(なっ……なんでコイツがー?!)
「……了解です。
 拒否権があるとも思えませんからね」
「よろしく、源女教官」
「こちらこそ、凱査察官殿」
「……」


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