scenario-04

センシティブ



■学生寮201号室 暁の部屋/7:40■

【通信スクリーン越しの女の子の声】
じゃあ、そっちは大丈夫なの?』
【トーストを咥える暁】
「だーから心配すんなって。
 オレ、この年にしてはイイ線行ってるって言われてんだぜ!」 
【うつむき加減の少女】
ふーん……?
 おにいの学校から届いた成績データ、赤点ばっかりみたいなんだけど。

 学費免除で入学させてもらったのに、これでほんとに大丈夫なの?』
「え?!
 まぁ……ほら、慣れないうちは誰でもこんな感じだよ!」
【日野出 輪子(ひので りんこ)】
『進級テスト落ちても留年できる他の生徒と違って
 おにいみたいな特例の入学生は二年間しか面倒見てもらえないっていうし
 進級できなかったら一発アウトなんだよ?』
『それに、彗星機士学校の設備ってどれも物凄く高価なんでしょ?
 くれぐれもCEMなんか壊さないように気をつけてよね。
 うちの家じゃ畑売ったって弁償できないんだから』
「分かってるって、輪子。
 少しは兄ちゃんのこと信用しろよなー!」
『言っとくけど、おにいがあの彗星機士学校に学費免除の特例入学生で入学なんて話、
 うちの近所じゃ誰も信じてないから』
「うわ、もうこんな時間!
 じゃな、輪子!親父とお袋によろしくっ!」
おにいみたいなマイペースな田舎者が都会で無事に暮らせてるのか不思議……
 って、おにい?!

 ……もぅ!』


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